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山梨県ブロガー、勇のブログ 『富士山より先に噴火したいっ!!』

『明太子』を相場の3倍で売る『やまや』マーケティング 個人ブロガー勇がムービーを撮影して動画作ったりクチコミ体験して感想を綴るブログ。

『明太子』を相場の3倍で売る『やまや』マーケティング

相場の3倍の値段で明太子を売る『やまや』は、

『価格と規格を定める一連の企画を整える』ことで成功しました。

売ることより、

作ることより先に、

高台にのってずっと先を見渡して相場から利益までを逆算して計算していきました。

もう、

味で売るはずのやまやは味すら付けていないかもしれません。

レシピに関する全行程を公開しても、

もはや何の痛手にもならないのです。

すでに、

やまやの名前でなければ、

やまやの値段で売れないからです。

ようは、

名前で売れているのです。

その秘密は何でしょうか?





やまやの明太子は博多のお土産として、

福岡のお土産として、

そして、

日本中の空港でお土産として定着しています。

ですから、

日本土産の一つです。

そんな『やまや』の本社販売店は福岡県の博多にあります。

半年前、

全国亭主関白協会の集まりに参加するために博多へ行ったさいに、

この販売店へ立寄りました。

一人で亭主関白協会の集まりに参加するのはとても恥ずかしいので、(笑)

山梨から募ったスタッフや友人ら7名を連れて行きました。

この本社販売店に行く企画を立てたのは、

参加者のまめちゃんです。

まめちゃんは、

福岡といえば明太子だと考えて、

明太子といえば『やまや』だと考えました。

まめちゃんは、

『本店であれば安いだろう』と考えていました。

かたや私は、

入店前から、

『全国一律同じ金額だろう』と考えていました。

せいぜい、

本店のオリジナル商品があるくらいだと考えていました。

入店して、

店内を見回しました。

小さな店の割に複数のスタッフがいます。

一人のスタッフは、

どんな商品でも試食させてくれました。

他社製の明太子との比較試食もできました。

もう一人のスタッフは、

贈答品用に配送の書類を書き込んでいました。

ベーシックな商品は、

90g1パック1,050円。

彼女たちは、「美味しくてお得(安い)だね。」と言って、

一人が買い始めると、

私も私もと、

ここで買い物をまとめていました。

さて、

肝心の料金は、

全国一律の金額でした。

生産者を淘汰させる流通主導からのシステムに組み込まれた普通の明太子は、

小売での末端価格でg3円程度
でしょう。

もっと安いかもしれません。

それでも彼女たちは、

相場1g3円の明太子を、

1g10円以上で買ってお得だ(安い)と感じているのです。

品質とは、

彼女たちに『良い』と思わせる演出であって、

商品自体の品質がよいことだけとは限りません。

同じように水揚げされた同じ『たらこ』を、

やまやによって買われるか、

他社によって買われただけで、

末端価格の相場がこれほどまでに違い、

この値段が受容されているのは何故でしょうか?

この質問をやまやへした場合、

やまやは体裁を気にして良い言い方をすると、

『こだわって(何かしらの投資にお金や労力をかけて)品質の良い商品を作っている』からだというでしょう。

消費者は『品質がよいから高くても私はこれを買ったのだ』と納得したいので、

品質が良いから高くても買われているという説明がやまやと消費者にとって一番都合がよいのです。

高く買った消費者が高品質だと認めたがっているのです。

あわせて、

品質だけを上げても品質は消費者へは伝わりません。

伝え方とは品質だけでは完結できません。

ですから、

やまやは、

品質を上げるための努力をしてきたというより、

本音で言うと、

『高く売るための努力をしてきた』
のでしょう。

高く売るための努力とは、

相場をおとさせないための努力です。

相場を上げて、

相場に売価が追い付いてきたのです。

売価、小売価格、相場のうち、一番落してならないのは相場なのです。





そして、

『やまやの明太子』として、

オリジナル商品として売りました。

納入先の宣伝をすることは流通にとってメリットではありません。

せっかく温めた商品が売れ始めたところで他の流通にシェアをされては儲けどころを逃がしてしまうからです。

流通は中・長期の目標を達成するために動きます。

すなわち、

相場を気にします。

生産者は目の前のものをなるべく早く高く現金に換えたいと考えます。

すなわち、

売価を気にします。

この思考プロセスの違いが、

生産と流通の互いの利害がぶつかる原因です。

出荷量が増えて人気が出始めたときに、

生産者は流通者が邪魔になってしまうからです。

自分でもっと高く売れると考えるからです。

しかし、

ただ流通させれば今まで通り売れるのではなくて、

『価格と規格を定める一連の企画を整える』ことをしないと失敗します。

そのような失敗をさせないために、

流通者は生産品に手を出すまえに生産数量の大部分をシェアして価格形成力の確保を試みることをします。

ですから、

利害関係が一致している自社内で流通を持つことは強みです。

しかし、

現在の生産者と流通者の関係の多くは、

生産者を外部の流通者が主導する関係です。

このように、

実質的には流通者優位な関係であっても、

体裁上は、

生産者優位を装っています。

生産者優位を装うことは、

流通にとってもメリットです。

なぜならば、

流通が主導し、

流通に予算をさく商品は、

大多数の消費者にとって魅力がない商品だからです。

大多数の消費者は、

商品の品質自体に価値を感じたがるものです。

「商品の品質がよいから私はこれを買っているのだ」

「よい商品でなければ私が買うはずがない」

「安い」と考えて自己肯定かできるからです。

だから、

流通者は体裁を気にして、

こだわって(何かしらの投資にお金をかけて)品質の良い商品を作っている』と説明することが流通者にとっても消費者にとって一番よいのです。

ですから、

本音と建前を理解しなければなりません。


流通を知れば本音と建前が理解できるわけではありません。

流通を知ることは本質ではなく、

思慮深くなることです。

売れたものは良いものだと評価されても、

売れたから良いものだと評価されただけで、

品質だけを上げても品質が伝わらなかったら意味がないのです。

そしてその伝え方とは品質だけでは完結しないことを理解することです。

仕組みを知らない者が仕組み作りに取り組めば、

すぐに屋台裏はくずれます。





私はやまやについて全く予備知識が無いので何も断定できないのですが、

やまやは、

いわゆる生産者ではないと思います。

後に生産部門を併設したとしても、

やまや戦略の発起人・代表者はお金や力の流れを知っている人です。

各種ステークホルダーのメリットとデメリットを分析して、

天秤にかけて調整できるリアリストです。

この代表者の知識が、

やまやにとって有効な流通の知識として運用されたのでしょう。

やまやは、

高台からずっと先を見て相場から利益を逆算していったのです。

やまやはもうすでにオリジナルでなくとも、

シェアを握らずとも、

商圏を分けずとも、

もう何もしなくていいのです。

そんな心配すらありません。

小売での末端価格g3円で売っても際限なく買いたたかれていつまでも展望が持てない生産者に比べて、

やまやは商品に生産者と表記させないギリギリの段階まで、

生産者や加工業者へ加工させているかもしれません。

もう、

味で売るはずのやまやは味すら付けていないかもしれません。

レシピに関する全行程を公開しても、

何の痛手にもならないのです。

すでに、

やまやの名前でなければやまやの値段で売れないからです。

ようは、

名前で売れているのです。

そして、

その名前を支える一連の仕組みが完成しているのです。

この仕組みとは、

価格と規格を定める一連の企画の先にしか見えないことなのです。

作ることより、

売ることより、

先にしなければならないことは、

高台にのってずっと先を見渡すことです。





めんたいこは特別なものですか?

いいえ。

普通の加工品です。

ですから、

この考え方は何にでも応用できます。

加工品はもちろん、

一次農産物であっても、

オンリーワン商材や珍しい商材を扱う場合であれば何にでも応用が利きます。





これから農林水産業を取り組むのであれば、

それらを統率するロジックはそれほど難しいものではありません。

目先に用意されている表向きの情報に踊らされず、

マネーゲームに巻き込まれずに、

自分たちの経済圏を確立することです。

長期目標を優先することが、

結果として最短で短期目標を達成できる場合があります。





コンサルタントセミナーの依頼を受け付けております。

どうぞお気軽にっ!! (^O^)/
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テーマ:マーケティング - ジャンル:ビジネス

  1. 2008/09/25(木) 16:53:43|
  2. そのうち分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
<<山梨県甲府市の印刷屋さんに行ってみました。(^O^)/ | ホーム | テロ対策特殊装備展と危機管理産業展からの招待状。>>

コメント

餃子から今回のミルクにしろ、
品質が問われていますね、
高くて買えない人が居たとしたら、
それは間違いです、
万人が同じレベルのミルクがあるべきなんです。

そんな期待を込めて頑張りたいです、
  1. 2008/09/25(木) 19:18:08 |
  2. URL |
  3. イタ長 #-
  4. [ 編集]

お前のブログってさ(ry
  1. 2008/09/26(金) 01:20:32 |
  2. URL |
  3. モンタ #-
  4. [ 編集]

飛びぬけて陰湿なボクです。(○^_^○)

>イタ長さんへ

>高くて買えない人が居たとしたら、
>それは間違いです、
>万人が同じレベルのミルクがあるべきなんです。
 ↑
そうですね。
それが一番ですね。
 (^_^) コメントありがとうございます。



>モンタさんへ

>お前のブログってさ(ry
 ↑
またオタクぶって。(^_^) 2ch用語ですか?
う~ん…、(>_<;)
『(ry』=『暗い』に3,000点!! (^o^)/ ←古い
これからもお互いにサワヤカな陰湿道を心がけて切磋琢磨できるとステキですね。(#^_^#)コメントをありがとうございます。
  1. 2008/09/26(金) 16:56:08 |
  2. URL |
  3. 勇 #-
  4. [ 編集]

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